2011年4月28日木曜日

No Money No Talk !?

もうすぐシンガポールを離れるので最近シンガポーリアンたちと最後のお別れの食事をすることが多い。ここで改めてシンガポーリアンについて気になったことをPick Up したい。



1.No Money, No Talk. 金持ちじゃなかったら話しがストップするということ。シンガポーリアンの金への執着心というか、マテリアリスチックな面が現れている。これはこっちにいて今日初めて聞いたのだが”え!知らなかったの?”みたいな反応をされた。



2.パイセー。これはいわゆるシングリッシュで恥ずかしい”みたいなニュアンスがある。シンガポーリアンは一般的に”パイセー”で最初は初対面の人たちにオープンじゃないことが多い。というか初対面だと”冷たいな”って感じることもある。ちなみにこれは日本の合コンのコンセプトを説明した時に、シンガポールに合コンがない理由はシンガポーリアンは”パイセー”だからだと言われた。



3.Chineseはみんな違う。つまりSingapore Chinese, Mainland Chinese, Malaysia Chinese, Indonesia Chineseといった色々なChineseがいるがシンガポーリアンにとって彼らはみんな違うとのこと。シンガポーリアンは自分たちが一番だと思っている傾向がある。その証拠に彼らに”Mainland China の出身か?と聞くと良い顔をしない。
またMalaysia Chinese を見下している傾向があるのと同時にIndonesia Chineseにはそういう傾向がない。なぜならIndonesia Chinese はお金持ちが多いからだそうだ。うーんAlways money comes first.

寮の前にあるプール付きのコンドミニアム。ミドル~アッパークラスのシンガポーリアンや主に駐在の外国人が住んでいる。プールのほかにもBBQや専用ジムなどもついている。



全体的にやはり彼らは現実的でありマテリアスチックであるということを感じる。この考え方が個々人の行動を形成し、さらには国をも作っていると言っていいだろう。



1. 人々に関して=お金を稼ぐことが一番に来るためそれを達成するために必要なことには投資を惜しまない。たとえば教育。シンガポールの教育制度は非常に競争的。Primary 3, つまり小学校3年からテストによって能力別のクラスに分けられる。シンガポールでは教育は将来の仕事と富みを保障する。だから彼らは勉強する。この教育システムについては非常に興味深いのでまたお話ししたいと思います。



2. 国づくりに関して=お金があってシンガポールの経済に貢献できる外国人はいつでもWelcomeだ。その証拠に実際にシンガポールの人口の4割がいわゆる外国人である、または外国人であった人である。もはや国なのかどうかわからない。



タクシードライバーと話をしてて“シンガポールは好きだよ!将来はシンガポールで働きたいね”て言ったら、彼はこう言ってた。“シンガポールはあなたのことが好きな訳ではないよ!あなたのお金が好きなんだよガハハハハ!”。



国づくりに関してもまた改めて話したいと思う。今回はとりあえずシンガポーリアンについて気になったことでした。






2011年4月27日水曜日

日本人の英語について考察

この前お話した日本人の英語の問題について。



日本人が英語が出来ないというのは何も国内だけではなく国際的認識であると思う。
まずこの“日本人は英語が出来ない”という外国人の方々に持たれているステレオタイプ(事実だが)を感じたエピソードを紹介したいと思います。



1.シンガポールで某戦略コンサルのインターンの面接でのこと。もちろん面接は英語だったが面接の終わりに“君の英語はVery goodだね。なにか特別な教育でも受けたのか?”=日本人は英語できないという認識をもっているためgoodvery goodになる。このあとあなたは今まで会った他の日本人と比較しているからですよといったら妙に納得してた。つまりちょっと英語が出来るだけでペラペラだと思われる。

2.パーティーとかネットワーキングセッションで。10分ぐらい話していると“君は日本人なのに何故英語ができるんだ?どこで勉強したんだ?”とほぼ必ず聞かれる。そういえば昨日シンガポーリアンの友人の家で夕食を招かれてたのだがそこでも同じようなことを聞かれた。

3.極めつけは教授に”なんで”君は英語できるんだ?”と聞かれる。”いや。。。英語できなかたっらここで留学できないですけど。。。”



ではなぜこのような認識を持たれるようになったのか?

1.単純に英語が出来ない人が多い。

2.日本人は一般的にシャイ。だからあまり喋らない。


この二つの仮説が考えられる。


とりあえず“日本人は英語が出来ない”というのはステレオタイプなのではなくれっきとした事実。たとえばTOEFL IBTの国際ランクも世界で最低ランク。教育水準の高い先進国では驚異のランク。ちなみに最下位はラオス。


あとここでちょい脱線。”英語ができる”と”ネイティブ並みの英語が出来る”についてもちょっと触れたい。

中国や台湾や韓国などの日本のご近所さんは”英語ができる”というのに大体分類される。欧米人(特にドイツや北欧などの人。)は母国語が英語に似ているため。英語がネイティブにできる。逆にフランスやスペイン人はそこまでではない。やネイティブスピーカーは”ネイティブ並みの英語が出来る”に分類される。

この”英語ができる”との差はかなり大きいし、そう簡単には縮まらない。だから小さい頃から何年も海外に住んでいない限り相当な努力が必要。
ちなみにシンガポーリアンの英語はネイティブ。


さて話を戻そう。



2の日本人は全般的にシャイであるというのはある程度正しいかもしれないが、それにそても英語が出来なすぎる。はたして一応海外でも日本のトップUniversityであると認識されている早稲田の学生の何パーセントが”英語ができる”に分類されるのだろう。



それではなんで英語ができないんだろう?
もっとも説得力のある理由としては”使う必要性がない”ということが挙げられると思う。これまで日本のマーケットの大きさを考えれば十分な内需が期待できたからわざわざ海外に行く必要はなかった。


外国人の方々にこの質問をされると大体こういう感じに答えている。


しかし日本国内のマーケットは縮む一方(福祉などの分野は成長分野であるが、そこでも英語は必要とされるように思われる。たとえば東南アジア諸国からの若い労働力に期待するのならば)なので英語は”使う必要性がある”に変わるだろう。ていうか既にそうなっているだろう。



いずれにせよ東南アジアでもかなりWidespreadに英語が話されていることを考えるともう英語はグローバルランゲージ。あったら有利とかじゃなくてなくちゃダメなレベルだと思う。むしろこれからは”ネイティブ並みの英語が出来る”できないと海外で国際社会対等にやりあえないと思う。(英語が流暢なだけで言ってることも正しく聞こえるという現象がある)



とりあえず自分に出来ることとして、なるべく多くの人に会ってこの”日本人は英語が出来ない”という認識を変えて、はやく”ネイティブ並みの英語が出来る”というレベルに到達する。まあ英語だけじゃもちろんダメだけどね。To survive in this globalized world!

2011年4月16日土曜日

授業:Asia Pacific Business 2

前回お話した授業Asia Pacific Businessの続き。


一つ目のプロジェクトは香港のITベンチャーのケースに取り組みましたね。二つ目のプロジェクトではシンガポールの建築コンサルティング会社のインド進出についてやりました。



二つ目のプロジェクトでは“シンガポール企業のインド進出”について一つ会社を選んでその戦略を分析しろというお題が与えられました。



最初はDBSというシンガポール最大の銀行を選んだ僕たちでしたが、プロポーザルを出した時点で教授に却下され(ファイナンス系の企業が情報を得るのが難しいのと、単に面白くないだろうという理由で)、シンガポール発の建築を中心にコンサルティングしている会社を選択しました。



この会社は1960年代に創設されシンガポールの代表的なショッピングモールや商業施設をデザイン、コンサルしてきた。その後アジアを中心に展開し、1990年代後半にはインド市場にも進出した。



さてさてやっと分析する企業を選んだものの未上場企業のため多くの情報が得られない+やってることがコンサルという性質のため、またしても必要な情報が得られないという壁にぶち当たりました。



そこで教授に相談したところ、インドでにおけるトップの役員方の紹介してくれること。知ってるなら最初から紹介してくれって感じですが。



ちなみにこの授業、実際に海外のオフィスに視察に行く必要がある場合80ドルの補助金がでるんですが、まさか学期中にインドに行く訳にもいかずシンガポールオフィスでお話をして頂けることになりました。



実際に聞いた話では、


1.インドに積極的に進出したのではなくインド側の顧客からアプローチされてインドへの進出を始めた。要因としては毎年のように獲得してるDesign Rewardなどによる高いReputation。=Reputationが仕事を持ってくる。

2.インドの市場はドバイなどの中東に比べるとOperating Margin(要するに利益率)が著しく低い。しかし”We can’t afford to ignore Indian Market now”. インドの経済成長とそれによる中間層の増加を考慮すればショッピングモールなどの商業施設の需要は間違いなく増加する。=インド市場にいること自体が重要。

3.建築のデザインはコピーされる可能性がある。たとえばある顧客にビルのデザインを提示したあと結局契約には至らなかった。しかしその後そのデザインと酷似したビルが出来ているのを見た。=インドの法規制の緩さ。

4.中間層のためのQualityハウスの需要の増加。



5.インドでも驚くぐらい環境への関心が高まっているのでそれに応じたデザインの需要が見込まれる。



これは本当に一部だが三時間も話してくれてすげー良い人だった。最後にちなみに日本人ここで働いている人っているんですか?って聞いてみたら、デザインの職では何人かいるよ。でもやっぱり英語の問題があるからねえって言ってた。これは悔しかった。やっぱり日本人=英語できないっていうのはかなりステレオタイプになっている(というか事実だが)

この英語についての問題についてはまた別に話したい。



さてさてAsia Pacific Businessについてはこんな感じでした。

2011年4月14日木曜日

授業:Asia Pacific Business 1

今日は後期にとったAsia Pacific Businessについて詳しく話します。この授業はBusiness School Management 系の授業です。


SMUでは、授業が入門か中級か上級かが100- ,200-,300-と各授業に振られる番号でわかります。たとえばMarketing 101 だったら入門科目であることを意味 し、M&A strategy 201 だったら中級科目を意味します。
マネジメント系の授業の一部


この授業は300番台なのでいわゆる上級科目です。(普通は上級科目を取るのにはなPre-Requisit 科目を既に取っていることが要求されます。でもこれは要件がなかった。でも後々Management 系の基礎知識が要求されていることに気づく。)



さて授業の構成は15週のうち最初の三分の一がインターナショナルビジネスの理論の講義。SWOT Analysis, ポッター5Forces, Mode of Entry, Scale of Entry, Time of Entry, Political Risk, とかをカバーした。
                                              これは教科書


次の三分の二がゲストスピーカーによる実際の海外進出の事例。バンヤンツリー(シンガポールのリゾート開発の会社)とかのCEOが来た。あとはプロジェクトのプレゼン。



一つ目のプロジェクトではそれぞれグループにケースとそれに関する質問が与えられてそれについて発表するというもの。



自分たちのグループは香港のITベンチャーの海外進出についてのケースが与えられた。この企業は90年代後半のITバブルの前にAlvin Lamという香港の企業家に設立されて、その後はM&Aなどで大きくなって中国などに進出した



主なサービスはWeb管理、E-commerce, E-marketingなど。顧客にはメガバンクなども。
ITバブルで一時期苦しむもそれを乗り越えて現在はシンガポール、台湾などに進出計画がある。また将来的には韓国と日本市場にも進出するかもしれないとのこと。



この会社を調べ始めた時に、ネットやEuromonitorなどのデータベースで情報を集めるも、あまりにも限られた情報しか得られなかった(要するにマーケットに関する一般的な情報ばかりで、会社の戦略についてのことはほとんど得られなかった。)。そこで思いきって会社のホームページからCEOにメールしてこのプロジェクトに協力してくれないかと頼み込んでみたんですね。



そしたらなんと次の日メールの返信が来て協力してくれるとのこと。そこで僕たちは根掘り葉掘り会社の海外進出の戦略について質問させて頂いた。そこでやっとプロジェクトが形になってきました。



しかもちょうどその2週間後ぐらいにシンガポールへの出張が入ってて、SMUに来て講演できるかもしれないとのことだったが、他のゲストスピーカーとのスケジュールがクラッシュしてこれは実現しなかった。



結果的に会社の中の上層部しか知らない戦略についての情報が手に入ってプレゼンがより面白いものになりました。
    これはプレゼンのスライドの一部。DMAという会社を買収したことによる影響。 





やっぱり思うのは実際にビジネスの最前線にいる人との距離感がすごい近い。ここの教授はビジネス界の人とのコネクションがかなり豊富で、それを上手く授業に取り込んでる気がする。ゲストスピーカーに凄い人がよく来るし。教授達の姿勢がリサーチばっかだけじゃなくて授業のティーチング(特にSMUは)にも凄い力が入っている。






これはSMUのセミナースタイルのティーチングに一部起因すると思う。30人~40人のクラスだと学生も教授もInteractive にならざるを得ないから。






New Product Development の教授はこう言ってた。”君たちはアジアの教育のシステムの中で記憶することを常に重要視されてきたと思うけども、ここではそれを変えなければならない。”








ちなみにこの香港のベンチャーはシンガポールと台湾の後には韓国と日本にも将来的に進出するかもしれないってことなので、プロジェクト終了後に念のためCVを送ってアピールしときました。そしたらインターンをConsiderするとのこと。





長くなったんで二つの目のプロジェクトのことはまた次回。

2011年4月13日水曜日

ルームメイト紹介 2

ルームメイト紹介第二弾。


次は中国人のルームメイトの通称ロンです。





  • 名前は? 謝輔仁
  • 年齢は? 25歳
  • 専攻は? Master of Professional Accounting
  • 前職は? 新卒でHSBC中国に入って働いてたよ。
  • なんでシンガポールきたの? シンガポールで公認会計士になるため。
  • 卒業後は何するの? 公認会計士の資格をとって監査法人で働くよ。
  • シンガポールにはどう思う? 3Bだね!Beautiful Boys, Beautiful Girls, Beautiful Place.
  • 日本は? 日本は愛しているよ!だって日本のアニメと漫画は最高じゃん!
  • この部屋どう思う? Clean and tidy without KEN!
  • 最後に何か? Its nice to meet ken here, ken always eats my ice creams though. Anyways, I hope Ken will meet beautiful woman and earn a lot of money.







ふざけてますね(笑)。でも面接の練習とかレジュメの添削とかで色々アドヴァイスもらってるんでかなり助かってます。






僕がいなかったら部屋が綺麗だったとか言ってますが、彼はめちゃめちゃ綺麗好きで常に部屋を掃除してます。自分は結構Lazyな方なのでまあそいった面でも助かってますね。あとたまに朝飯作ってくれる。なんだかんだ良いやつです。

ルームメイト紹介 1

今日はルームメイトを紹介します。






こっちにきてから大学から約バスで20分の寮に住んでいます。寮といってもHDB(シンガポールの公営住宅)の15階と16階を大学が貸し切って、交換留学生とインターナショナルスチューデントに提供しています。






後期はインド人と中国人のマスターの学生とルームをシェアしてます。彼らをインタビュー形式で紹介します。まずインド人の彼から行きましょう。





  • 名前は? ビシュニュ・マダム
  • 年齢は? 35歳
  • 専攻は? Master of IT in Business.
  • 前職は? Infosys というインドのIT会社で働いてたよ。
  • なんでシンガポールに来たの? Banking のBusiness Knowledgeをつけたかったからだよ。
  • マスター修了後は? シンガポールの金融機関で働く予定だよ。
  • シンガポールについてどう思う? 正直長くいたらつまらないかな。バスだって電車だって時間通りにくるし、多くのことが予測できちゃうからね。インドだったら絶対時間通りにこないもんね。でも予想外のことがたくさん起きるからある意味楽しいかな。あとシンガポールは小さいからSocializationも重要だね。
  • 日本については?Discipline and Quality. 
  • 最後にこの部屋はどう思う?Nice!!


インド人って言うとおしゃべりなイメージがありますが彼はとても寡黙です。将来はインドに戻って教育に携わりたいそうです。

2011年4月12日火曜日

シンガポールの大学生 2

シンガポーリアンはPrimary School からバイリンガル教育を受けているので人種によって英語+中国orマレー語orタミル語が基本的に話せます。



多くの大学生にとって英語が基本的に第一言語ですね。だから中華系だと中国語が流暢ではない人とかいるんです。つまり中国Naitiveなのではなく英語Naitiveなんですね。家でも英語で会話してる人が多いです。ただしこれは僕が実際に毎日接している大学教育を受けている人たちに限った話で、ホーカー(フードコード)とかに行けばみんな中国語話しています。



これは若干驚きでした。シンガポールに来る前は逆だと思ってましたから。つまり中国がが第一言語だと。



いずれにせよ僕含め多くの日本人が英語習得に苦しんでいるのをよそに大抵のシンガポーリアンは英語と中国語が標準装備されているわけなんです。これは国際社会にでたらとんでもない差ですよね。



それに前回お話したように彼らは大学では死ぬほど勉強する。



じゃあ僕ら日本人って何で、どこで勝負するんだと。これは留学中にずっと考えていたことでした。この容赦のないグローバル化の中で、彼らのような優秀なやつらどうやって戦っていくんだと。



海外に出て色々な学生に接して気付いたことはやはり圧倒的なインプット、そして能力(語学力、思考力など)の差でした。

シンガポールの大学生 1

ここではシンガポールの大学生、特にSMUの学生に一般的に言えることをお話します。



彼らは”めちゃくちゃ”勉強します。本当に勉強します。まず根本的に大学の捉え方が違います。



日本の一般的な大学生にとっては大学は遊ぶ場、またサークル活動などに打ち込む場、まあ人それぞれですが、勉強に打ち込むって人はそう多くはないと思います。共通認識としてとりあえず単位が取れて卒業が出来ればいいっていうのがありますよね。



彼らシンガポールの大学生(ここではインターナショナルスチューデントも含む)にとって大学とはまず第一に勉強に打ち込み、卒業後の就職に備えて各々ビジネススキルを身につけ磨く場です。



つまり大学が目的なのではなく将来に対する手段でしかないのです。日本の大学ってもはや目的になっていますよね。



ここではGPAというインセンティブが強烈に働いています。高いGPA、つまり良い成績をとることが自分の望む就職先に繋がるからです。こっちでGPAを気にしない人に会ったことはありません。日本の大学ではGPAがあまり重要視されていないので勉強するインセンティブにはなりえていません。



SMUに話を移すとここでは特に成績を気にする人が多い気がします。彼氏の条件にHigh GPAを挙げる女の子に出会ったこともあります(これは彼らのプラグマチックな思考に関係しています。またいつかお話します)。



まあこんな環境に一年もいて自分もGPAを気にする人間になりました。将来の大学院進学を視野に入れたら高いにこしたことはないし。早稲田に帰ったら死ぬ気でGPA上げてやります。正直早稲田ではGPAをインフレさせるのはそんなに難しいことではないので(こっちでは超ムズカシイ)。

SMU:Super Competitive Culture

何故SMUのカルチャーはSuper Competitiveなのか?



まずSMUの学生はとにかく勉強します。これはシンガポールの大学生全般に言えることですが、特にSMUでは皆が一番になりたい、A+をとりたいというシンガポール特有の"キアス"という文化が強いです。皆が誰にも負けたくないっていうマインドセットのを持っているので競争は本当に熾烈です。



ビジネススクールなのからかもしれませんが皆マインドセットがかなりプラグマテイックでドライです。悪い言い方をすれば冷たいのかもしれませんが良い言い方をすればかなり現実的な思考を持っています。ビジネススクールに所属する学生以外でも大体の人がセカンドメジャーでファイナンスやらマーケティングやらビジネス系のものを専攻しています。Social Science のあるシンガポーリアンいわく"なんらかのビジネススキルがないとSocial Science専攻じゃ就職きついよ"とのこと。




またシンガポールではGPAが就職においてとても重要視されています。だから勉強すればある程度将来の道筋は見えてくるんです。




これがSuper Competitiveなカルチャーを生み出してます。




もうひとつこのカルチャーを作り出しているのは要因は学校側にありますね。それは単純に各授業におけるWorkloadが異常に多いこと。つまりどの授業でも必ずプロジェクトがあるので同時に4プロジェクト進行とかいう場合が良くある。これはSMU特有でしょう。




そういえば誰かがSMUのことを"これは4 years 学部MBAだろ "って言ってたな。だとしたらここで4年間鍛えられたらどんだけ力つくんだろう。おそろしや。

授業:後期

12月に前期の授業が終わってからは1月に後期の授業が始まるまで1カ月まるまる東南アジアを旅していました。ベトナムに始まり、カンボジア、タイ、マレーシアと。実は東南アジアをじっくり見たいってのもあったので良い機会でした。シンガポールは東南アジアを旅行するなら本当に便利ですよ。






で後期の授業なんですが前期の成績が出てMarketingでA+がきたこと、そしてMarketingが学問としてまたビジネスとして単純に面白いなって思ったのでMarketing系の授業を中心に組みました。






Consumer Behavior: 消費者行動論。前半の授業はかなりPsychology の理論の説明が占めた。後半になってそれを実際にどう使っているかっていう話になった。ロレアル、スターバックス、あとBMWのケースをやった。フランス人の女の子のグループメートが旅行ばっか行っててミーテイングに全然来なかった。シンガポール人教授。
グループメート:シンガポーリアン2、フランス1、中国1
プロジェクト:シンガポール発の化粧品会社のLow AwarnessについてLocal BrandとInternational Brandの比較。




New Product Development : 新商品開発。この授業は一応マーケティングの分野に入るんだがかなりアントレプレナーシップ寄りだった。要するにどうやって新しいサービスや物を生みだすかってことをやった。あとはビジネスプランの作り方。たぶんこの教授が一番要求しているレベルが高かった。最初の授業が終わってから10人以上消えた。インド人教授。
グループメート:シンガポーリアン2、インドネシア2
プロジェクト:プロジェクトは3つあった。一つ目はFortune500 company に完全に世の中に新しいプロダクトを提言すること。二つ目のは完全に世の中にとって新しいプロダクトを提言すること。最後のは個人プロジェクトでFortune500 company に新しいプロダクトやサービスを提言すること。(マクドナルドがピザを導入すべきだとか)




Asia Pacific Business: アジア太平洋ビジネス。これはStrategy系の授業。主に企業の国際化戦略を分析した。マレーシア人教授
グループメート:シンガポーリアン1、インド1、スリランカ1、中国1
プロジェクト:一つ目は香港のITベンチャーの国際化戦略のケース。これは幸運にもCEOにメールしたら返事がきてプロジェクトに協力してくれた。二つ目はシンガポールの建築会社のインド進出について。ここでも教授のコネで役員に会えて直接話を聞くことができた。




Intercultural Communication: 異文化コミュニケーション。コーポレートコミュニケーションの授業。Hofstedeの5 culutural dimentions とかをどうやってビジネスの現場で応用するかとか。
グループメート:シンガポーリアン3、中国1
プロジェクト:日本とシンガポールの出生率の低さを文化的な面から比較した。








これはAsia Pacific Businessのプレゼンの様子。ばっちり目つぶってますね。




後期は前期の反省を生かしてグループプロジェクトにかなりコミット出来ました。準備が全てです。締め切り前は学校に泊りこみでプロジェクトを仕上げたり結構きつい学期でしたね。あとプレゼンはかなり慣れてきてスクリプトが要らなりました。





授業:前期

ここでは実際にとってた授業を紹介します。



その前にSMUには面白い科目登録に仕方があります。基本的に全学生にE-Moneyなるものが配布され学生はそこから取りたい科目にBIDとします。つまりおバーチャルなお金でとりたい授業に対して競りをするんですね。たとえば人気科目には50ドル使おうだとか朝の授業には20ドルで十分だろうだとか。このシステム結構学生には人気がないみたいですが、ビジネスマインドを養うために導入したそうです。さすがビジネススクール。



あと基本的に授業は1コマ3時間です。



まず前期とってた授業から。




Marketing : 基本的なマーケティング101の授業。ベルギー人教授
グループメート:シンガポーリアン4人、韓国人1人。
プロジェクト:シンガポール発の化粧品会社のマーケティング戦略に対して分析と提言をした。あと何個かケーススタディやった。


Management of People at Work : 企業行動論。ドイツ人教授。
グループメート:ALLシンガポーリアン。
プロジェクト:中国のファミリービジネスについてのケースをやった。あと著名なOrganisational Behaviorの学者のWikiを作った。


Management Communication : ビジネスにおける交渉の仕方だとか、企業のイメージだとか、要するにコーポレートコミュニケーション。インド人教授。
グループメート:アメリカ1人(彼は起業したため途中帰国)、カナダ1人、メキシコ人1人
プロジェクト:シンガポールの郵便会社のロゴを変えてイメージチェンジを提言。あとは個人プレゼンでWao Moment を作れっていうお題がでて、日本とブータンの比較で経済成長=幸福じゃないっていうのをやった。


Training and Development : その名の通りトレーニングとデブロップメント。HRの授業です。シンガポール人教授。
グループメート:ALLシンガポーリアン
プロジェクト:プロフェッショナルスキルワークショップというのを各チームがやった。要するに企業で役に立ちそうな研修を考えて実際にやりなさいってこと。僕のグループは、自分をプロファイルして自分自身がどのような人間か知るってことによって会社で働く際に約にたつじゃんっていうワークショップ行った。DISCプロファイルです。


ちなみにこれはマーケティングのグループプロジェクト。



見てお分かりのようにグループワークが基本的に中心。だからプロジェクトのためにグループミーティングがしょっちゅうあります。



最初は知らない他人と、しかも文化のまったく違う人たちと働くっていうのは慣れなかったし自分の実力を発揮できなかった。ていうかそれ以前に知識量、つまりインプットのの量に圧倒的な差を感じて無力感バリバリでした。すなわち実力自体がなかった。



正直に最初のころほんとうに自分の能力のなさ、そして知識のなさに嘆き絶望する日々でした。どうしたらいいものかと考えるうちに、”きちんと完璧に準備をすればミーテイングで発言権をある程度確保できるし、グループワークに貢献できるなあ”と、とても基本的なことに気付き、ミーテイング前はトピックに関するものを読み込みでから参加するようになった。



それからは大分ましになったと思う。ただその中で強く思ったのは自分に能力のなさに愕然としたこと。一応日本のトップクラスの大学から来ているのだからシンガポールでもある程度通用するんじゃないかっていう考えがあった。正直最初は全くダメでした。なんど”こいつらやばい”と思ったことか。これに関してはまた今度お話したいと思います。



次は後期とった授業について。

授業:スタイル

SMUの大きな特徴としてその特殊なTeaching Style が挙げれます。自分がSMUを選んだり理由の一つですね。


基本的に全てのクラスが30人から40人程度の小人数で構成されています。日本の大学って基本的に大人数で、しかも成績は大体出席とテストだけ決まりますよね?でもここではプロジェクトと呼ばれるグループワークが成績の中でとても大きな比重を占めます。(大体、Participation=15% Project=45% Final=30%って感じ。)
クラス風景

またClass Participationも重要でクラス内で積極的に発言することが求められます。良く言われるのが"You cant be shy here"。そう、シャイだったら評価されないんです。


そしてプロジェクトを発表する機会として必ずプレゼンテーションを課せられます。これはプレゼンテーションの様子。

ふざけた顔してますがこれは実際にプレゼンを無事終えた後です。また基本的にプレゼンの際はスーツ着用でプロフェッショナルであることが求められます。おそらくビジネススクールだから常に実践のビジネスの場に近いようにしてんるんだと思いますね。


留学中の全部の授業でプレゼンがあったので相当な数のプレゼンをしました。

Why シンガポール? Why SMU ?

何故シンガポール、そしてSMUを語る前にまず早稲田の留学制度についてちょろっと説明しておきましょう。



早稲田にはTSA,ISA,交換、Double Degreeと大きく4つの留学システムがあるのですが、通常、交換とDouble Degreeの場合は高いTOEFLスコアとGPAが要求されます。TSAやISA(主に英米)は英語を勉強する授業をとらなけらばなかったり色々と制約があるみたいですが、交換は基本的に現地の授業にいきなり放り込まれます。



多くの人は留学っていったらアメリカとかイギリスといった英語圏を思い浮かべますよね。実は自分も留学を意識しだした大学二年生のころはアメリカかイギリスを考えていました。まあ要するに英語圏に行って人よりもちょっと英語できるようになろうと甘いことを思っていたんですね。しかし留学を実際に決める時期になった時に、予想もよりもTOEFLのスコアがとれたのでかなり選択が広がりました。



またそのころ早稲田でGlobalization in Aisaという留学センターの授業を取っていて、その教授にアジア圏留学を薦められてました。最初は欧米しか頭になかったのでアジアで留学?って考えた時はある意味ショックでした。



しかし中国やインドの成長、そして世界の富がアジアの移りつつあること、つまりアジアの世界における重要性が明らかに増していた事実にはもちろん気付いていました。そこで下手に欧米に行ってフツーの留学をしてくるよりも、成長真っ只中のアジアで留学しそこで経験を積む方が面白そうだなと思ってきた訳です。



また早稲田で生ぬるい学生生活を送ってきた自分への罰として、非常に厳しい競争社会であるシンガポールたのもあります。厳しい環境の中dで自分を試したいっていうことですね。シンガポールに決める際に教授から”シンガポールの大学では本当に勉強するぞ”と本気で脅されたことも決定打になりました。



早稲田は実際にシンガポールの三大学と交換留学協定をもっているのですが、SMUを選んだ理由としてはビジネススクールであること、そしてすべての授業が30-40人で構成されるセミナースタイルであること、そしてシンガポールの大学で一番Competitiveであるということですね。早稲田の大人数の授業には内容どうこうよりもあまり正直興味がもてなかったので、SMUの授業スタイルは特に魅力的でした。(この特殊な授業スタイルについてはまたいつかお話したいと思います。)











大学紹介:SMU



SMUについて

ここでは僕が留学していた大学を紹介したいと思います。
僕はSMU(Singapore Management University)20108月から4月まで交換留学生として在籍していました。





シンガポールには3校しか国立の大学がありません。シンガポール国立大学、ナンヤン工科大学、そしてシンガポール経営大学です。シンガポール国立大学、ナンヤン工科大学は世界大学ランキングにも登場するアジアのトップ大学です。




















SMU2000年にシンガポール政府によってアメリカのトップビジネススクールであるWhathon School of the Universtiy of Pennsylvaniaをモデルとして設立されました。Accountancy,Economics, Information Systems Law,Social Scienceなど色々な学部があるんですが、中心なのはSchool of Businessです。はっきりいって完全なビジネススクールです。


                        これは図書館。

インターナショナルスチューデントの割合が多く、20%以上がノンシンガーポリアンです。現在のところ日本人のフルタイム学生は在籍していません。交換留学生は慶応から1人、早稲田から2人、立教から1人、関西学院から1人。前期には上智から2人来ていました。





ちなみに3つあるシンガポール大学の中で一番新卒者の給料平均が高いらしいです。おそらくこれは金融やコンサルなどへの就職者が多いことが理由でしょう。実際にバークレイズやクレディスイス、UBSなどへ内定をもらっている学生とプロジェクトで一緒になりました。また学生の間で起業熱がとても高い。たとえばヘッジファンドを設立した学生やアイスクリームのチェーン店を作ったやつなどに会いました。





大学紹介はこんなとこで。