2011年9月1日木曜日

i-ABC The Inter Asia Business Competition.



 23日から29日までリクルート主催のi-ABC The Inter Asia Business Competition
に参加してきたので所感をまとめる。

まずこのビジコンについて軽く説明。


*アジアTOP大学の2500人から選ばれた50人の学生が参加。航空券、ホテル代、食費無料。その上お小遣いまででる。
*参加者国は中国、香港、韓国、インド、台湾、サウジアラビア、インドネシア、日本、ドイツ。
*賞金総額50万円
*それぞれのチームが振り当てられた会社を分析し、抱えている問題に対する解決を提示する。


日本での選考はオンラインアプリケーションにてCVと英語エッセイ提出➡グループ面接➡電話にて合格連絡➡本社に呼ばれ確認。でした。

参加学生のレベル
マッキンゼーやBCGGoogleなどでバリバリインターンしている学生が1チームに1人2人いて総じて面白い学生が集まっていた。修士学生と理系の学生が多かった気がする。Phdも一人いた。

ただ19歳にて能力半端ないやつもいたらしいが、中国の北京大のやつとかインドのIITのやつを相手にして全然互角にやっていけたってのが実感。ビジネス系じゃなくて理系の学生が多かったからてのがあるかもしれない。


チームメイト
北京大学、IITデリー、KAISTなどから。

チームメイトのKAISTの彼は圧巻だった。英語完璧、論理的、リーダーシップあり、プレゼン上手。KAISTは韓国の理系のTOP校らしんだけど、もしこういうやつがいっぱいいたらほんとにやばい笑
KAISTのスーパーマン
  
ビジコンの内容
超簡単に言うと、それぞれのチームに会社が与えられて、その会社の問題解決策を提示しようというもので、自分たちはSONYだった。

学生らしいアイデアを求めているのか現実的なアイデアを求めているのかで最後まですごい割れたけど、最終的にはかなり現実的なアイデアで行くことにした。

SONYのマネジメントクラスの社員の方が一人ついてくれて、最終日は4時間ぐらいコンサルしてくれた。また、リクルートの社員方がメンターでついてくれて、議論がそれたときなどは上手く修正してくれた。

SONY本社にて


結果
結局勝てなかったんだけど、敗因はタイムマネジメントとアイデアの斬新性のなさにつきる。


ほかのチームは制限時間を超えて時間をつかっていたけど、
うちのグループは8分にどうにか留めようとして努力して、8分以内に留めた。
しかしそれが仇に出た。どうやら時間を超えてもあまり関係なかったらしい。

もし時間がそこまで厳密じゃなかったら他のグループにようにもっとコンテンツを
つめこめた。これは戦略ミス。

アイデアも現実的に行き過ぎた。これも審査の基準を把握できてなかったミス。


問題分析➡解決策提示の流れはロジカルにできてたんだけど、データの弱さと解決策のアイデアの斬新さのなさが響いたか。



終了後に審査員だったDeNAの南場さんが言ってたことがすごい印象的だった。「たとえどんな偉い人が何を言おうと、事実に裏付けされてないと信用はできない。事実とデータにできるだけ近づけ」。これ真理。



総じて
*留学先でもOVALでも実感したけど、多国籍チームで働くってほんとに難しい。たった7日間だけど、そういう環境である程度のレベルのアウトプットを出すのは困難。たとえ頭が良い奴が集まっていても。でもこれだけ国籍もバックグラウンドも違う中で働いて、一つのコンセンサスを導きだして、アウトプットを出すのって本当に刺激的で面白い。

*やっぱり新卒で海外に行きたい意欲がさらに増してきた。最初のキャリアから多国籍のチームに放りまれるような刺激的なところに身を置きたい。


この夏2回国際ビジコンに出て、投資銀行のインターンに行くより多くのものを得られたと思う




ふと思ったんだけど2−3ヶ月で多国籍チームで何かプロジェクトを作るみたいなインターンあったらぜったいおもろいよなあ。



いずれにせよこれを企画してくれたリクルートの方々には本当に感謝したいです。7日間通じて非常に濃い経験ができました。来年もやるとしたらぜひアプライすることをおすすめします。


優勝チーム。


Bye lah!


2011年8月21日日曜日

インターン/ビジコン/就活の話。


シンガポール帰国後

SMUでの留学を終えて、インドのNGOで1カ月インターンを経て、
帰国して3か月が経ったからこの辺で色々整理する。


今日はインターンの話、就活の話、ビジコンの話。



1.インターンの話。

シンガから帰国してからはHR系のベンチャーと新興国の進出コンサルでインターンしてました。


HR系のベンチャーではかなり裁量もらってリアルビジネスをやらせてもらってる。
社長からかなり厳しく鍛えられて(体育会系ベンチャー)仕事の難しさを実感してる。

・数字に対するプロフェッショナルさ
-プレゼンでもレポートでも数字は絶対に間違えない。
数字に対するプロフェッショナルな姿勢を持つ。一回間違えると信用を失う。

・話をするときにきちんとストーリーを持つ。
-これは現場力に直結すると思う。常に相手の立場を考えて話す。
なにかを目上の人に主張するときに「たしかに~」を挟むのはとても重要。

・3割自分が正してくても7割自分が間違っていたら潔く謝る。
-要するにミスしたら潔く謝ること。言い訳をしないこと。

・突っ込まれそうなところは徹底的に潰す。
-プレゼンをするときに突っ込みがきそうなところは事前に徹底的に潰す。
たとえば「この数字は何で正しいと思うの?」とか質問を想定して答えられるようにする。

・ビジネスは予測不可能だから色々なシナリオを考え用意する。
-これはK案件で実感した。ビジネスってほんとに予測できないもんだね。
だから色々なシナリオを用意してそれに準備する。


HR系のベンチャーざっくり学んでることはこんな感じ。フィードバックがくそ厳しいから叱られて
伸びる自分にとっては良い環境にいると思う。



2.就活の話
ミーハーで受けていた外資系投資銀行だけど、
色々な人に会って話聞いているうちにあまり興味がなくなってきた。
欧州系と米系投資銀行からインターンもらうも後述するビジコン関係で行けず。


ただ面接受けてるうちにおもしろい奴にあったりして、一応受けたのは無駄じゃなかった。

スイス系のある投資銀行でのGDでは時間が30分って決まってるのに、話がおもろくなり過ぎて、
何回も時間が終了のノックが来てるにも関わらず、「このまま続けて下さい」とか言われて延々と続けさせられたり。

お題は「鉛筆会社の経営者になって売り上げを伸ばせ」みたいな感じだったんだけど、3人とも
色々ぶっ飛んでてめちゃおもろかった。

そのあとの面接でも「面接」が途中から「ディスカッション」になったりしてカオスだったけど、結局受かった笑。

あの3人でまた集まりたいな。



で、就活の話なんけど、卒業したらシンガポールに行って働くのが一番おもろいかなって思ってる。
現時点じゃシンガポール人に通用する気しないけど卒業までに同じ土俵に立てるようにする。



3.ビジコンの話
昨日までソウルで行われてたOVALっていう日中韓のビジコンに参加してきました。
不確定な変数が多い(チームメートだったり審査員だったりトピックだったり)のわかってたけど、
決勝に行けなかったのは実際まじで悔しかった。

・日中韓の学生のレベル差も実際そこまでじゃなかった気がする。
日本人英語さえできればなんだかんだ結構案外いけるって。

・自分のグループは俺以外フレッシュマン2人だったから、簡単に議論のイ二シアテイブは取れた。この2人は1セメスター終えただけのフレッシュマンだったから、自分がリーダーシップを取らざるを得なかったんだけど、多国籍チームをマネジメントするのはやっぱ難しい.

指示通りのアウトプットがでてこなかったり、全く違うことやってたり。
でも3人とはいえど多国籍チームのマネジメントを出来たのはすごい大きな収穫。


スタッフの皆様本当にお疲れ様です。とても感謝しています。



で、明後日からはリクルート主催のアジアビジネスコンテストに出てきます。
http://www.facebook.com/asia.iabc?sk=app_199147536784417

ガチのアジアTOP学生が集まるらしんで楽しみ。


そのあと9月はシンガポール就職のために種まきにいくか、
こっちでインターンに専念しようか迷い中。


Bye lah!

2011年5月2日月曜日

日本人学生とシンガポール人学生の差


思えば去年の9月。シンガポールでの授業が始まって1カ月ぐらいたって気付いたことがった。それは日本人学生とシンガポール人学生の圧倒的な“”である。



日本人学生が馬鹿であるとか、能力がないとか主張する気は毛頭ない。むしろポテンシャル的には同じだと思っている。しかし、気付いたのは圧倒的な“意識の差”である。



まず日本人が英語喋れない=能力がないっていう公式は成り立たたせたくない。なぜなら基本的に小中高大と日本語で教育を受けているし、英語のハンデはもちろんある。逆にシンガポール人はずっと英語で教育を受けているので英語はもちろん出来る。そしてチャイニーズはそれプラス中国語もできる。



これらのことは正直環境によるものが大きいので能力の差があるとは言いたくない。もちろん国際的にSurviveするためには英語ができないといけないのは当然であると思うが。キャッチアップするかどうかは個人次第。しかし現実的には英語が出来ない=能力がないとみなされても仕方ないのかもしれない。



とにかく気付いたのは“意識の差”である。ここで意識の差とは勉学に対する意識、仕事に対する意識、そして将来に対する意識である。たとえば大学は基本的に良い仕事に将来就くため、それに対する準備として“勉強をしてスキルをつける場”として捉えられているので、勉強に対する姿勢が真面目。つまりGPA(成績)と就職が直結しているので、ここに意識の差が現れる。



こっちではポテンシャル採用はほとんどないので各々自分の専攻の知識を深め、スキルを付け、就職に備えなければならない。ファイナンス専攻の人は金融機関へ、政治学専攻の人は公務員へ、マーケティング専攻の人はマーケティングのジョブへ。


つまり日本のように文学部の人が銀行へ行くなどあまり考えられない。そもそも応募しない。


例えば僕は専攻を聞かれて”Political Science Economicsっていうと, じゃあKenは政府で働きたいのかって良く聞かれる。そういときには日本のポテンシャル採用のことを説明し政治学専攻でも銀行に行けるんだと答えている。そうなると、じゃあ専攻って意味あるの?って話になるよね。


実際に大学で勉強していることは意味がないって一般的に捉えられているから専攻って意味がないのかもしれない。少なくとも日本では。でもシンガポールではそれは意味があって就職の際に必要であるというこが理解されている。個人的には全ての勉強には意味があって繋がりがあると思っているけども。



とりえあずこの意識の差が最終的に能力の差になってくるのかもしれない。



例えば



標準的なシンガポール人。
1.英語ネイテイブ
2.中国語できる
3.専攻によってそれなりのスキルは持っている。(ほぼ即戦力)
+日本語や韓国語ができる学生もいる。

標準的な日本人。
1.日本語ネイティブ
2.英語できない
3.即戦力的なスキルを持っているのは稀。



これでどっちが能力あるっていったら完全にシンガポーリアンだよね。少なくても世界市場おいては。 


こう考えると日本人学生って一歩日本を出たら一気に戦闘力が落ちるよね。ていうか戦うどころか土俵にすら上がれない。



実際にSMUでの前期はこの圧倒的な差に絶望した。グループプロロジェクトのディスカッションとかでも圧倒的なインプット差があって、最初の方は毎回打ちのめされていた。
英語が出来て当たり前の世界なので“おまえは英語が外国語だから話せなくも仕方ないよ”っていう雰囲気は正直まったくない。配慮がないって言ってしまったらそうなるかもしれないが、グローバルランゲージをまとも話せない方が悪いだろう。



最低限は英語の習得、そして自分の専攻などの知識やスキルをつけて世界という船にしがみつくことが大事なのかな。今のっている船はいつ沈没するかわからないから。



こういう意識って留学している人、した人って大体持っていると思う。昨日ロンドンのSOASに留学しているゼミ生とスカイプしたときも"日本ヤバい"っていうフレーズが連発した。






とりえあえず自分に出来ることとして卒業までに世界標準に出来るだけ近付いてそれを突破する。



2011年5月1日日曜日

授業:New Product Development 1


今日は後期にとった New Product Development について話したいと思う。




この授業はマーケティングの授業の一種なのだが、アントレプレナーシップの色が濃い。
中身は名前の通り新商品開発 だがこれにはいわゆる携帯電話やパソコンなどのProductだけではなく、ホテルやフードのServiceも含まれる。

授業内容をシラバスから抜粋。 
まあ要するに新しいビジネスアイデアを出してどのようにそれを売り出すか(Marketingについての授業です。



この授業、Professorが最高に厳しい人だった。最初の授業の後10人ぐらいがドロップしました(基本3040人のクラスなのでこれはかなり大きな数字)。彼の口癖はいまここでプロフェッショナルにならないでいつなるんだ?でした。
例えば授業に1分でも遅刻すると欠席扱い、授業に発言においても常に論理的な根拠(Why)が求められる。




授業ではExam がないので3つのプロジェクトが課せられました。



1Mid-TermグループプロジェクトFortune 500に入っている会社に現存しているプロダクトの次世代版のビジネスプランを書くこと。例えばWhat in your opinion should the “i-phone 5” be?

2Finalグループプロジェクト=いままで世の中にないまったく新しいサービス/プロダクトを考え出してプレゼンテーションをすること。これはNoレポート。

3個人プロジェクト Fortune 500に入っている会社に新しいサービス/プロダクトを提言しビジネスプランを書くこと。 例えば you could recommend that McDonalds should introduce ‘pizzas’



1Term3つのプロジェクト、つまり3つのビジネスプランを作るっていう相当濃い授業でした。




まずMid-termのグループプロジェクトでは何を提案したのか?ちなみに自分のグループはインド人1人、インドネシア人2人、シンガポール人1人、自分っていう構成でした。




自分たちのグループが考えたのは子どもが乗るおもちゃの車の乗り物に、掃除機をつけてしまおうというアイデア。Fortune 500会社であるアメリカのMattelが出しているPower Wheelという商品に掃除機をつけたらどうだ?っていう提案です。





この新商品を正当化した背景:



1        アメリカのおもちゃ市場:2009年から2014年の間に約4%の成長が見込まれている。しかしこれといった新技術は生み出されていない=マーケットがSophisticatedしている。Ride on Toy (乗り物系)の市場は全体のおもちゃ市場の11.4%を占めている。

2        アメリカ消費者動向:子どものおもちゃに多くの消費が行っている数少ない国の一つであり、014歳の人口が年4%増えている。

3        Mattelの売り上げは2009年に6%下がったが、アメリカのおもちゃ市場では高いブランド力がる。

4        子どものおもちゃを選ぶのに親がかなりの影響力を持っている。子どもがおもちゃの乗り物で遊びながら家の中を掃除できるので、親の方へも新商品を強く訴えかけられる。




それとATARモデルという売上と利益を予測するモデルをビジネスプランの中に組み込まなければならないのでそれも紹介。


以下がそれの計算式。




===========================================================
Market Size:ターゲットのマーケットの人口。


Awarenessターゲットのマーケットでどれぐらいの%の人がその新商品の存在を“知っているか”。
Trial:その中で何&のひとが商品を“試すか”。
Availability:またその中でその商品が“手に入れることができる”のは何%か。
Repeat:以上の3つをクリアした人の中で何%の人が“リピート”するか。

Market Size*(Awarness*Trial*Availability*Repeat)

総売り上げ台数がでる。
===========================================================




またコストなどの数字を入れることによって新商品の大体の売り上げと利益が予測できる。このケースだと以下の通り。


1.    まず始めにMarket Sizeを想定する。

2009年のアメリカでは、
18歳以下で、親がいる子どもの人口= 74,230,000
10歳から18歳までの子どもの人口= 19,974,000+21,538,000=41,512,000

よって10歳以下の子どもの数 = 32,718,000

貧困ライン以下生活している家族の割合= 10.3%

したがってターゲットマーケットのサイズである10歳以下のアメリカの子どもで、親と一緒に暮らしていて、貧困ライン以下で生活していない人口は= 29,348,046

2. Awareness
Mattel によると子どもがいる親の間でMattelの認知度は100(100%とは100人中100人がこのブランドを知っているということを意味する。しかし新商品なのでAwarenessはもっと低い数字だろう。これはプロジェクト中に気付かなかった。反省)

3. Trial
1971年から現在まで25millionMattelのよって製造されたおもちゃの乗りものが売れ。約657,895 台が毎年売れていることになる。毎年同じ台数が売れていると想定するとTrial 2.24%。

4. Availability 
Mattelの商品はトイザらスやウォルマートといった大型量販店で売られているだけではなく、インターネットでの販売も行っている。よってAvailability90%

5.  Repeat
親は子供につき一台しか買わないということを想定。よってRepeat0%




以上のような想定をした上で実際に計算をしてみる。



Market size (units)
           29,348,046
% Awareness
100%
% Trial
2.24%
% Availability
90%
ATAR
2.02%



すると一年目の売り上げ台数は9348046×2.20%....から
Year 1 Estimated Sales Volume
                 591,657となる。





そして売上高、利益もろもろは以下のようになる。

Retail Price/Unit
300.00
Sales Revenue
177,496,982.21
Gross Margin on Sales
100%
Year 1 Projected Net Income
11,469,793.79

よって一年目の総利益は1146979379ドルになる。
  



以下は利益もろもろを出すのに使った想定。
Manufacturing cost of a car
140.00
Cost of an Eureka Vacuum cleaner
18.00
Warranty
75.00
Variable Costs
             100,000.00
Marketing & Distribution
             500,000.00
% discount to retailers
10%
Further discounts for promotion
10%
Total cost
     166,027,187.42




このATARモデルの最も重要なのは想定する数字に根拠があって説得性があるかどうか。ちなみに実際に出したビジネスプランでは全ての数字の根拠を提供している。たとえばAvailability 90%にはどのような根拠があるのか(単にインターネットにオンラインストアがあるだけで、インターネットが使える人口全員がその商品を手に入れられるのか?)など。



ATARモデルについてもっと知りたいかたはこちらへどうぞ。http://www.aquila-bsi.com/npd/module_3/ATAR%20Model.pdf




ATARモデルばっかになってしまいましたが、とりあえずMid-termプロジェクトはこんな感じでした。もちろんビジネスプランにはMarketingの戦略なども含まれています。でもProfessorはこのATARモデルをかなり重要視していました。学期中ずっと論理的な根拠を求めるのを強調していたので、このモデルではそれがもろに現れますよね。





だってインベスターへのプレゼン、もしくは役員会で新商品に対する投資、もしくは承認を勝ち取るのに最も説得力があるのってやっぱり根拠がある具体的な数字(要はどれだけ利益がでるんだ?って話)ですもんね。




続く。

2011年4月28日木曜日

No Money No Talk !?

もうすぐシンガポールを離れるので最近シンガポーリアンたちと最後のお別れの食事をすることが多い。ここで改めてシンガポーリアンについて気になったことをPick Up したい。



1.No Money, No Talk. 金持ちじゃなかったら話しがストップするということ。シンガポーリアンの金への執着心というか、マテリアリスチックな面が現れている。これはこっちにいて今日初めて聞いたのだが”え!知らなかったの?”みたいな反応をされた。



2.パイセー。これはいわゆるシングリッシュで恥ずかしい”みたいなニュアンスがある。シンガポーリアンは一般的に”パイセー”で最初は初対面の人たちにオープンじゃないことが多い。というか初対面だと”冷たいな”って感じることもある。ちなみにこれは日本の合コンのコンセプトを説明した時に、シンガポールに合コンがない理由はシンガポーリアンは”パイセー”だからだと言われた。



3.Chineseはみんな違う。つまりSingapore Chinese, Mainland Chinese, Malaysia Chinese, Indonesia Chineseといった色々なChineseがいるがシンガポーリアンにとって彼らはみんな違うとのこと。シンガポーリアンは自分たちが一番だと思っている傾向がある。その証拠に彼らに”Mainland China の出身か?と聞くと良い顔をしない。
またMalaysia Chinese を見下している傾向があるのと同時にIndonesia Chineseにはそういう傾向がない。なぜならIndonesia Chinese はお金持ちが多いからだそうだ。うーんAlways money comes first.

寮の前にあるプール付きのコンドミニアム。ミドル~アッパークラスのシンガポーリアンや主に駐在の外国人が住んでいる。プールのほかにもBBQや専用ジムなどもついている。



全体的にやはり彼らは現実的でありマテリアスチックであるということを感じる。この考え方が個々人の行動を形成し、さらには国をも作っていると言っていいだろう。



1. 人々に関して=お金を稼ぐことが一番に来るためそれを達成するために必要なことには投資を惜しまない。たとえば教育。シンガポールの教育制度は非常に競争的。Primary 3, つまり小学校3年からテストによって能力別のクラスに分けられる。シンガポールでは教育は将来の仕事と富みを保障する。だから彼らは勉強する。この教育システムについては非常に興味深いのでまたお話ししたいと思います。



2. 国づくりに関して=お金があってシンガポールの経済に貢献できる外国人はいつでもWelcomeだ。その証拠に実際にシンガポールの人口の4割がいわゆる外国人である、または外国人であった人である。もはや国なのかどうかわからない。



タクシードライバーと話をしてて“シンガポールは好きだよ!将来はシンガポールで働きたいね”て言ったら、彼はこう言ってた。“シンガポールはあなたのことが好きな訳ではないよ!あなたのお金が好きなんだよガハハハハ!”。



国づくりに関してもまた改めて話したいと思う。今回はとりあえずシンガポーリアンについて気になったことでした。






2011年4月27日水曜日

日本人の英語について考察

この前お話した日本人の英語の問題について。



日本人が英語が出来ないというのは何も国内だけではなく国際的認識であると思う。
まずこの“日本人は英語が出来ない”という外国人の方々に持たれているステレオタイプ(事実だが)を感じたエピソードを紹介したいと思います。



1.シンガポールで某戦略コンサルのインターンの面接でのこと。もちろん面接は英語だったが面接の終わりに“君の英語はVery goodだね。なにか特別な教育でも受けたのか?”=日本人は英語できないという認識をもっているためgoodvery goodになる。このあとあなたは今まで会った他の日本人と比較しているからですよといったら妙に納得してた。つまりちょっと英語が出来るだけでペラペラだと思われる。

2.パーティーとかネットワーキングセッションで。10分ぐらい話していると“君は日本人なのに何故英語ができるんだ?どこで勉強したんだ?”とほぼ必ず聞かれる。そういえば昨日シンガポーリアンの友人の家で夕食を招かれてたのだがそこでも同じようなことを聞かれた。

3.極めつけは教授に”なんで”君は英語できるんだ?”と聞かれる。”いや。。。英語できなかたっらここで留学できないですけど。。。”



ではなぜこのような認識を持たれるようになったのか?

1.単純に英語が出来ない人が多い。

2.日本人は一般的にシャイ。だからあまり喋らない。


この二つの仮説が考えられる。


とりあえず“日本人は英語が出来ない”というのはステレオタイプなのではなくれっきとした事実。たとえばTOEFL IBTの国際ランクも世界で最低ランク。教育水準の高い先進国では驚異のランク。ちなみに最下位はラオス。


あとここでちょい脱線。”英語ができる”と”ネイティブ並みの英語が出来る”についてもちょっと触れたい。

中国や台湾や韓国などの日本のご近所さんは”英語ができる”というのに大体分類される。欧米人(特にドイツや北欧などの人。)は母国語が英語に似ているため。英語がネイティブにできる。逆にフランスやスペイン人はそこまでではない。やネイティブスピーカーは”ネイティブ並みの英語が出来る”に分類される。

この”英語ができる”との差はかなり大きいし、そう簡単には縮まらない。だから小さい頃から何年も海外に住んでいない限り相当な努力が必要。
ちなみにシンガポーリアンの英語はネイティブ。


さて話を戻そう。



2の日本人は全般的にシャイであるというのはある程度正しいかもしれないが、それにそても英語が出来なすぎる。はたして一応海外でも日本のトップUniversityであると認識されている早稲田の学生の何パーセントが”英語ができる”に分類されるのだろう。



それではなんで英語ができないんだろう?
もっとも説得力のある理由としては”使う必要性がない”ということが挙げられると思う。これまで日本のマーケットの大きさを考えれば十分な内需が期待できたからわざわざ海外に行く必要はなかった。


外国人の方々にこの質問をされると大体こういう感じに答えている。


しかし日本国内のマーケットは縮む一方(福祉などの分野は成長分野であるが、そこでも英語は必要とされるように思われる。たとえば東南アジア諸国からの若い労働力に期待するのならば)なので英語は”使う必要性がある”に変わるだろう。ていうか既にそうなっているだろう。



いずれにせよ東南アジアでもかなりWidespreadに英語が話されていることを考えるともう英語はグローバルランゲージ。あったら有利とかじゃなくてなくちゃダメなレベルだと思う。むしろこれからは”ネイティブ並みの英語が出来る”できないと海外で国際社会対等にやりあえないと思う。(英語が流暢なだけで言ってることも正しく聞こえるという現象がある)



とりあえず自分に出来ることとして、なるべく多くの人に会ってこの”日本人は英語が出来ない”という認識を変えて、はやく”ネイティブ並みの英語が出来る”というレベルに到達する。まあ英語だけじゃもちろんダメだけどね。To survive in this globalized world!

2011年4月16日土曜日

授業:Asia Pacific Business 2

前回お話した授業Asia Pacific Businessの続き。


一つ目のプロジェクトは香港のITベンチャーのケースに取り組みましたね。二つ目のプロジェクトではシンガポールの建築コンサルティング会社のインド進出についてやりました。



二つ目のプロジェクトでは“シンガポール企業のインド進出”について一つ会社を選んでその戦略を分析しろというお題が与えられました。



最初はDBSというシンガポール最大の銀行を選んだ僕たちでしたが、プロポーザルを出した時点で教授に却下され(ファイナンス系の企業が情報を得るのが難しいのと、単に面白くないだろうという理由で)、シンガポール発の建築を中心にコンサルティングしている会社を選択しました。



この会社は1960年代に創設されシンガポールの代表的なショッピングモールや商業施設をデザイン、コンサルしてきた。その後アジアを中心に展開し、1990年代後半にはインド市場にも進出した。



さてさてやっと分析する企業を選んだものの未上場企業のため多くの情報が得られない+やってることがコンサルという性質のため、またしても必要な情報が得られないという壁にぶち当たりました。



そこで教授に相談したところ、インドでにおけるトップの役員方の紹介してくれること。知ってるなら最初から紹介してくれって感じですが。



ちなみにこの授業、実際に海外のオフィスに視察に行く必要がある場合80ドルの補助金がでるんですが、まさか学期中にインドに行く訳にもいかずシンガポールオフィスでお話をして頂けることになりました。



実際に聞いた話では、


1.インドに積極的に進出したのではなくインド側の顧客からアプローチされてインドへの進出を始めた。要因としては毎年のように獲得してるDesign Rewardなどによる高いReputation。=Reputationが仕事を持ってくる。

2.インドの市場はドバイなどの中東に比べるとOperating Margin(要するに利益率)が著しく低い。しかし”We can’t afford to ignore Indian Market now”. インドの経済成長とそれによる中間層の増加を考慮すればショッピングモールなどの商業施設の需要は間違いなく増加する。=インド市場にいること自体が重要。

3.建築のデザインはコピーされる可能性がある。たとえばある顧客にビルのデザインを提示したあと結局契約には至らなかった。しかしその後そのデザインと酷似したビルが出来ているのを見た。=インドの法規制の緩さ。

4.中間層のためのQualityハウスの需要の増加。



5.インドでも驚くぐらい環境への関心が高まっているのでそれに応じたデザインの需要が見込まれる。



これは本当に一部だが三時間も話してくれてすげー良い人だった。最後にちなみに日本人ここで働いている人っているんですか?って聞いてみたら、デザインの職では何人かいるよ。でもやっぱり英語の問題があるからねえって言ってた。これは悔しかった。やっぱり日本人=英語できないっていうのはかなりステレオタイプになっている(というか事実だが)

この英語についての問題についてはまた別に話したい。



さてさてAsia Pacific Businessについてはこんな感じでした。

2011年4月14日木曜日

授業:Asia Pacific Business 1

今日は後期にとったAsia Pacific Businessについて詳しく話します。この授業はBusiness School Management 系の授業です。


SMUでは、授業が入門か中級か上級かが100- ,200-,300-と各授業に振られる番号でわかります。たとえばMarketing 101 だったら入門科目であることを意味 し、M&A strategy 201 だったら中級科目を意味します。
マネジメント系の授業の一部


この授業は300番台なのでいわゆる上級科目です。(普通は上級科目を取るのにはなPre-Requisit 科目を既に取っていることが要求されます。でもこれは要件がなかった。でも後々Management 系の基礎知識が要求されていることに気づく。)



さて授業の構成は15週のうち最初の三分の一がインターナショナルビジネスの理論の講義。SWOT Analysis, ポッター5Forces, Mode of Entry, Scale of Entry, Time of Entry, Political Risk, とかをカバーした。
                                              これは教科書


次の三分の二がゲストスピーカーによる実際の海外進出の事例。バンヤンツリー(シンガポールのリゾート開発の会社)とかのCEOが来た。あとはプロジェクトのプレゼン。



一つ目のプロジェクトではそれぞれグループにケースとそれに関する質問が与えられてそれについて発表するというもの。



自分たちのグループは香港のITベンチャーの海外進出についてのケースが与えられた。この企業は90年代後半のITバブルの前にAlvin Lamという香港の企業家に設立されて、その後はM&Aなどで大きくなって中国などに進出した



主なサービスはWeb管理、E-commerce, E-marketingなど。顧客にはメガバンクなども。
ITバブルで一時期苦しむもそれを乗り越えて現在はシンガポール、台湾などに進出計画がある。また将来的には韓国と日本市場にも進出するかもしれないとのこと。



この会社を調べ始めた時に、ネットやEuromonitorなどのデータベースで情報を集めるも、あまりにも限られた情報しか得られなかった(要するにマーケットに関する一般的な情報ばかりで、会社の戦略についてのことはほとんど得られなかった。)。そこで思いきって会社のホームページからCEOにメールしてこのプロジェクトに協力してくれないかと頼み込んでみたんですね。



そしたらなんと次の日メールの返信が来て協力してくれるとのこと。そこで僕たちは根掘り葉掘り会社の海外進出の戦略について質問させて頂いた。そこでやっとプロジェクトが形になってきました。



しかもちょうどその2週間後ぐらいにシンガポールへの出張が入ってて、SMUに来て講演できるかもしれないとのことだったが、他のゲストスピーカーとのスケジュールがクラッシュしてこれは実現しなかった。



結果的に会社の中の上層部しか知らない戦略についての情報が手に入ってプレゼンがより面白いものになりました。
    これはプレゼンのスライドの一部。DMAという会社を買収したことによる影響。 





やっぱり思うのは実際にビジネスの最前線にいる人との距離感がすごい近い。ここの教授はビジネス界の人とのコネクションがかなり豊富で、それを上手く授業に取り込んでる気がする。ゲストスピーカーに凄い人がよく来るし。教授達の姿勢がリサーチばっかだけじゃなくて授業のティーチング(特にSMUは)にも凄い力が入っている。






これはSMUのセミナースタイルのティーチングに一部起因すると思う。30人~40人のクラスだと学生も教授もInteractive にならざるを得ないから。






New Product Development の教授はこう言ってた。”君たちはアジアの教育のシステムの中で記憶することを常に重要視されてきたと思うけども、ここではそれを変えなければならない。”








ちなみにこの香港のベンチャーはシンガポールと台湾の後には韓国と日本にも将来的に進出するかもしれないってことなので、プロジェクト終了後に念のためCVを送ってアピールしときました。そしたらインターンをConsiderするとのこと。





長くなったんで二つの目のプロジェクトのことはまた次回。